
WordPressの引っ越しをUpdraftPlusでやる方法【無料】

「別ドメインやサブドメインに引っ越しをしたい」
「なるべくカンタンな方法がいいなー」
「無料で出来る方法はある?」
WordPressの引っ越しができ、無料で使えるプラグイン「UpdraftPlus」があります。
ほんらいバックアップ用のプラグインですが、新ドメインへの引っ越しを試してみたらできました。
ようするにクラウドストレージ経由でバックアップデータを移動します。
ちなみにGoogleで「WordPress 引っ越し」と検索すると「All-in-One WP Migration」と「Duplicator」が出てくるんですがどちらも有料なのでボツ。
ではUpdraftPlusを使った手順を説明します。
なるべくアクセスの少ない深夜2時~早朝6時がベター
Googleアナリティクスによると深夜2時から早朝6時のアクセスが少なく、引っ越しにモタついたときのダメージが少なくて済みます。
ほんらいなら
というのが理想ですよね。
しかしできないパターンもあります。
(例)ドメイン名はdomain-current.jpのままロリポップ!からXserverに引っ越す。
その理由ですがサイトのSSL化に必要なSSL証明書を取得するのに
という作業が必要になるからです。

しかもSSL証明書の取得には長ければ数時間かかることも。

落ち着いて作業できるためにも深夜早朝が望ましいというわけですね。
※サイトのSSL化は無料で出来るレンタルサーバーが多く、SEO的にもGoogleからの評価が上がりますので強く推奨します。
移行元でやる作業
UpdraftPlusを使ってクラウドストレージにバックアップするだけです。
PC内に保存してもよいですが、火事や地震、破損、盗難などのリスクを考えるとやはりクラウドストレージに預けるべきでしょう。
WordPressの「設定」→「UpdraftPlus Backups」→「設定」を開きます。
クラウドストレージの選択画面になります。
有名な無料クラウドストレージならDropbox、Microsoft Azure、Google Driveあたりですかね。
まよったらいちばん有名でGoogleアカウントがあれば使えるGoogle Driveがオススメ。
今回は一例としてGoogle Driveを選択します。
すると少し下にアカウント認証メニューがありますのでクリックするとGoogleアカウント認証画面に進みます。
下の「変更を保存」をクリックした後というのをお忘れなく。
「バックアップ/復元」タブにもどり「今すぐバックアップ」をクリックします。
引っ越し用にバックアップする場合、4か所すべてにチェックを入れるとすべての種類のファイルを安全にリモートストレージへアプロードできます。
「今すぐバックアップ」をクリック。
バックアップの完了を待ちます。
※注意
UpdraftPlusでバックアップされるのはWordPressがインストールされているディレクトリ以下のデータのみです。
ほかの場所、たとえばルートドメイン直下などに保存してあるデータがあればFTPを使いダウンロードしておきましょう。
なお、筆者環境ではルートドメイン直下のuser.iniを復元したらサイトが開けない現象が発生しました。
原因はWordfence Securityプラグインがuser.iniを生成しており、引っ越し前の環境と互換性がなかったためです。
したがってuser.iniはコピーせずWordfence Securityプラグインの設定画面からファイアウォールの初期設定を完了させることで自動的に新しいuser.iniが作成されたことを確認しました。
(ドメイン名が変わる場合は)データベースのURLを更新しよう
バックアップしたデータベースはクラウドストレージに保存したならブラウザでログインするとUpdraftPlusフォルダ内にあります。
パソコン内に保存したならご自身で保存した場所にあるはずです。
データベースのバックアップファイル名の例
最後が~db.gzで終わっているファイルです。
backup_2020-10-30-0443_UPDATE_a62c29cb8371-db.gz
ダブルクリックして解凍しましょう。
データベースファイルの編集はメジャーなVisual Studio Codeで行うのがおすすめ。
(1)編集画面になったら置換のショートカットキー(Ctrl+H)を押します。
「検索」欄に旧ドメインのURLを、「置換」欄に新ドメインのURLを入力しましょう。
心配ならEnterキーで1件ごと、自信があればCtrl+Alt+Enterキーで一括置換します。
(2)置換が完了したら7-Zipなどを使い再度圧縮しましょう。
(3)圧縮が完了したらクラウドストレージもしくはパソコン内のデータベースファイルと入れ替えます。
移行先でやる作業
WordPressのインストール後、バックアップを復元して各種URLを新しいアドレスに更新します。
バックアップを復元する
まずWordPressをインストールをしますが、SSL化が完了してWordPressの初期設定画面が表示できることを確認しましょう。
さきにSSL化の成功を確認しておけば、引っ越しがうまくいかなかったとき
と悩まなくて済みます。
WordPressがインストールできたらUpdraftPlusをインストールして、設定画面からクラウドストレージの認証を完了させましょう。
そして「バックアップ/復元」タブを開くと移行元で保存したデータが表示されています。
たまに表示されていないことがあるので見当たらなければ「リモートストレージを再スキャン」をクリックしましょう。
※サブドメイン、サブディレクトリがある場合の注意
サブドメインのUpdraftPlusの中にルートドメインのバックアップデータが表示されたり、ルートドメインのUpdraftPlusの中にサブドメインのバックアップデータが表示されることがあります。
バックアップの日付が一致していることを確認しましょう。
バックアップの「復元」を押して処理が終わるのを待ちます。
サイトが開けない!ときのチェックポイント
ルートドメインのuser.ini、.htaccessの移行は出来ていますか?
テキストエディタで開いてみてURLなどに異常がないか見てみましょう。
保存するときの文字コードはサーバーの仕様に合わせますがどうしてもわからなければ「UTF-8」がメジャーなので試す価値あり。
またはファイル名を変えることで自動で新規作成され解決する場合があります。
WordPress アドレス (URL)とサイトアドレス (URL)を別にした覚えはありませんか?
たとえば過去にサイトアドレス (URL)をルートドメイン直下に変更したことがある場合は「index.phpファイル」がルートドメイン直下にあったはずです。
ただしく移行できていますか?
index.phpの記述が下記のようになっているか確認しましょう。
引っ越し後のチェックリスト
旧ドメインを使わないなら自動更新を止める(1年以上あとが推奨)
ただし少なくとも1年はリダイレクトを継続することを推奨するとGoogleのえらい人が言ってます。
If they’re no longer needed after a while (usually I recommend keeping them at least a year), and you don’t see traffic to them, then removing them is fine since it makes long-term maintenance easier.
— 🍌 John 🍌 (@JohnMu) January 18, 2019
リダイレクト(アドレス自動移行)設定
GoogleからのSEO評価を引き継ぐためと重複コンテンツ判定を回避するためにリダイレクト設定も忘れずに行いましょう。
ドメインごと引っ越すならFTPでルートディレクトリにアクセスして.htaccessに追記すればOKです。
※バックアップをお忘れなく!
(www.before.comからwww.after.comに引っ越す場合)
保存するときの文字コードはUTF-8のケースが多いです。

ミスるとWebサイトが真っ白になったりするので、すぐにFTPで元に戻せるように準備しておきましょう。
ほかのやり方はGoogleで「wordpress リダイレクト」と検索すれば出てきます。
ASPやSNSなどのプロフィールを更新
サイトアドレスはもちろん、メールアドレスも変わったなら忘れずに更新しましょう。
Google Search Consoleのサイトマップを送信


アドレス変更ツールを使う
郵便局に出す転居届みたいなものですね。
いちおうGoogleがリダイレクトを検知すれば引っ越したことは明らかなので、アドレス変更ツールはいらない作業かもしれません。

Google Search Consoleアドレス変更ツールに新旧サイトを登録するだけでOK。
リンク切れチェッカーを使う
基本的にバックアップファイルのURLをごっそり新ドメインに書き換えてますので理論上は問題ないはずです。
しかーし!!
ってことで心配性な方はdead-link-checker.comでリンク切れのチェックをしておきましょう。